2010年6月5日土曜日

回想録

最近、OBのS氏がゼミ室にAV(Audio&Visual)ネタのコミックスを持ち込んで置いてあるが、ついつい、これにハマって全巻読破してしまった。コミックスの絵柄の趣味から言えば、私の好みじゃないので以前持って来ていた時は手を出さなかったのに、今回はついつい読み込んでしまった。

現在マイホームの建築中で、新居のリビングに置くテレビの買い替えが我が家の課題となっており、当然というか、仕方がなくというか、購入検討の役目を嫁より私が指示されているという家庭の事情があるため、最近AV関連の製品情報を調べていたというタイムリーなネタであったことも、ハマった理由の一つである。

確かにTVの買い替えもハマった理由の一因なのだが、もともとAV関連、どちらかと言えばAudioネタについては「もともとハマっていた」という過去の経緯が大きいかもしれない。

私の世代は今の若い人と違ってアナログオンリーの日常にデジタルが突如として現れ、様々なメディアやシステムがアナログからデジタルへの切り替わる様を、まさに少年期、青年期、成年期、そして中年期と通して体験しながら人生を過ごして来た、ある意味ラッキーな世代である。

音楽関連で言えば、磁気テープがオープンリール(カセットに入っていないむき出しのテープを機械に手で取り付ける)から触り始め、8トラカセット、それから普通のコンパクトカセット、レコードとオーディオといえばアナログな時代だった。その後いわゆるCDが登場し、デジタルオーディオの時代が始まるが、当時はデジタルオーディオの再生はできても録音ができる機械はまだなかったので、やっぱりアナログのカセットテープが録音、再生の主流メディアだったのである。

当時のスタンダードはレコードプレイヤーとカセットデッキがセットになったステレオセットである。いわゆるレンタルレコード屋で借りたレコードをカセットにダビングして聞いたり、ラジオで流される曲をカセットに録音するいわゆるエアチェックが、これでなんとかできるからである。これにカセットテープのウォークマンを持っていれば、音楽を外へ持ち出せたわけである。

私もこの方面は最初小学生の頃、テレビのアニメ番組のオープニングとエンディング曲をTVの前にテープレコーダ(オーディオ機器ではあるが、高音質を前提としたステレオではないモノラルのもの)を置いて、ラジカセのマイクで録音するところから始めた憶えがある。いわゆるマイアニソンテープを録音、編集するのである。小学校の高学年頃からラジオのエアチェックに手を初め、中学の頃は歌謡曲より、フォークソング、ニューミュージック、クラッシック、イージーリスニング、洋楽嗜好だった。松田聖子や中森明菜、チェッカーズよりオフコース、ユーミン、YMO、マイケル・ジャクソン、マドンナ、ケニー・ロギンスである。いわゆる80'sの洋楽の黄金期をラジオから音楽を仕入れて過ごしてきたのである。この頃には機材もテープレコーダからラジカセになり、ラジカセの標準機能では足らなくなり、やばい方向へハマることになる。

ラジカセの機能と音に物足りなくなると、ステレオセットへグレードアップするのだが所詮メーカのセットものを買うと幕の内弁当のような最小公約的機能になるので気に食わない。となると残るのはバラコン(バラコンポ)、いわゆる単品物でステレオシステムを構成するのである。

カセットデッキはKENWOOD、アンプはテクニクス、スピーカーはどこそこ、チューナーはどこそこと、一つ一つ情報を集めて機種を決め、自分で配線して組み替え、使いやすくいじり倒すのである。もちろん今のようなネットで調べるなんて方法はない時代にである。全部自分でやってみて、失敗しながら学ぶのである。カタログを読む、調べる、先輩に聞いたり、店員さんに教えてもらったり。

カセットデッキ一つにしてもダビング用のダブルデッキ、いやカセットテープの入れ替えを不要にするオートリバース、オートリバースといっても簡易版は再生は両面できるが録音は片面限り、マニアは回転ヘッドの両面録再型とか、再生と録音を排他的にしかできない通常の2ヘッドじゃなく録音した音声を即座にモニターできる3ヘッドじゃなきゃ、ときりがない。それに加えてテープの磁性体でグレードが異なるテープの使い分け。ノーマル、クローム、メタル、どこのメーカのテープがいいとか、悪いとか、こちらもキリがない。

結局、私の第一次オーディオ熱は、録音はアナログカセット、デジタルオーディオはCDと大学入学頃でほぼ完成してしまい(MDはまだ出てなかった)、大学進学後はコンピュータにどっぷりハマったため、そちらの世界からはしばらく遠のいてしまった。そうはいってもその後もMD Walkman、カーステレオには12連のCDチェンジャーにグライコ、センタースピーカーにツィーター、iPod、5.1chサラウンドと縁はきれてないようだ。というような種々のネタが冒頭のコミックス「デジパラ」には詰まっていたので、ついつい昔を懐かしんでハマってしまったわけである。

今思えばこのオーディオ絡みで得た経験が、その後いい意味で役にたったのだろうか。ジャンルは違えど、システムを設計する、いじり倒すという意味で、あるいは情報収集や人とのコミュニケーションという意味で、その後ずいぶんと助かったような気がする。

さて、最近は歳のせいか、念入りな調査が面倒になり、まっこんな機種でいいかと安易に決めることも多くなってきているが、新居のTV選びの結論はどうなるのか?(つづく)

By okkun








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